日々進化する経済用語集 経済ナレッジバンク

最新の経済情報を伝える日経は、日々新しい経済用語が登場する場所でもあります。

「経済ナレッジバンク」は、おさえておきたい経済の基礎用語から最新用語まで、約600語を収録。

やさしくわかりやすく解説しています。

経済をイチから学びたい時、日経を読んでいて知らない用語にぶつかった時など、幅広くご活用いただけます。

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抗体医薬

2019年8月18日(日) 日本経済新聞 朝刊

がん細胞など狙い撃ち、治療効果高く
 抗体医薬は生物の生体防御機能をつかさどる免疫システムの一つである「抗体」を活用した医薬品の総称で、特定の分子にピンポイントで結合する特徴がある。がん細胞の増殖を阻害したり、免疫活動を抑制したりするなど様々な病気の治療薬に使われている。化合物を合成した医薬品と比べ高い治療効果があり、副作用も抑えられるメリットもある。
 これまで主流だった医薬品は化学反応を使い生産するのに対し抗体薬は動物の細胞や微生物に抗体を作らせる必要があるため製造工程も複雑だ。一定の温度、湿度で管理した大型の培養タンクなど特別な設備が必要だが、1つのタンクでは1種類の抗体医薬しか生産できないため設備投資コストもかかる。製造コストが高いことから薬価も高額となる傾向がある。
 英調査会社エバリュエートによると、2018年の医療用医薬品市場は約8300億ドルと00年(3000億ドル)と比べ2.7倍に増加した。理由の一つが治療効果が高く価格も高い抗体医薬の普及だ。米医薬品サービス・調査会社のIQVIAによると、18年の医療用医薬品世界売上高トップは関節リウマチ治療薬の抗体医薬「ヒュミラ」で254億ドルだ。そのほかレミケード(関節リウマチ)、オプジーボ(がん)など上位10位のうち5製品を抗体医薬が占めている。