事務機器
2019年11月6日(水) 日本経済新聞 朝刊
ペーパーレス化で需要減
オフィスや店舗の事務作業に使う機器全般を指す。その中心となるのが書類の印刷などに使う機器だ。複写機のように単機能の製品と、スキャナーやファクスなども含めた複数の機能を有する複合機とに分けられる。カラー印刷機能の有無や印刷速度の違いによって現場に必要な製品が選ばれることが多い。
複写機の始まりは半世紀以上前にさかのぼる。米ゼロックスが「ゼログラフィー」と呼ぶ技術を使い、1955年に世界初の商用モデルを世に出した。その後はキヤノンやリコーといった日本勢が勢力を拡大。紙をスムーズに送り出したり、画像を紙に定着させたりといった異なる種類の精密な技術が必要で、日本勢が高性能な商品を生み出してきた。
パソコンやスマートフォンが一般的に使われるようになると、紙に印刷する機会が減る「ペーパーレス化」が広がり逆風となった。米IDCの調査では、2018年のプリンター・複合機の世界出荷台数は9900万台で、11年から21%減っている。足元では世界的な景気減速の影響で出力枚数が減り、消耗品の需要も落ち込んでいる。