日々進化する経済用語集 経済ナレッジバンク

最新の経済情報を伝える日経は、日々新しい経済用語が登場する場所でもあります。

「経済ナレッジバンク」は、おさえておきたい経済の基礎用語から最新用語まで、約600語を収録。

やさしくわかりやすく解説しています。

経済をイチから学びたい時、日経を読んでいて知らない用語にぶつかった時など、幅広くご活用いただけます。

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量子暗号

2019年11月13日(水) 日本経済新聞 朝刊

不正読み取りを事前に検知
 情報漏洩を完全に防げるとされる次世代の暗号技術。「量子」の代表格には電子や光の粒子(光子)がある。量子暗号では光子に暗号化や解読に使う「鍵」の情報をのせて送る。光子は誰かが不正に読み取ろうとすると状態が変化し、この兆候を検知することによって漏洩の危険性を取り除き、安全性を保てるとされている。
 インターネットなどで現在、使われる暗号は従来のコンピューターでは短時間で解けない数学の問題をもとに成り立っている。性能がはるかに高い次世代計算機である量子コンピューターの実現を見据え、別の数学の問題をベースにした「耐量子計算機暗号」の検討も進むが、完全にリスクを排除するのは難しい。安全保障など秘匿性の高い情報のやりとりを念頭に、量子暗号の導入の動きが世界で活発になっている。
 量子暗号や量子コンピューターは、相対性理論と並んで現代物理学の土台をなす量子力学を利用している。量子技術は人工知能(AI)などに続き、産業競争力や軍事の分野に広範な影響をもたらす可能性がある。米中や欧州などが国・地域をあげて研究開発に乗り出している。日本でも国家戦略の策定を進める。