日々進化する経済用語集 経済ナレッジバンク

最新の経済情報を伝える日経は、日々新しい経済用語が登場する場所でもあります。

「経済ナレッジバンク」は、おさえておきたい経済の基礎用語から最新用語まで、約600語を収録。

やさしくわかりやすく解説しています。

経済をイチから学びたい時、日経を読んでいて知らない用語にぶつかった時など、幅広くご活用いただけます。

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相互確証破壊

2020年8月26日(水) 日本経済新聞 朝刊

核攻撃抑止へ「恐怖の均衡」
 冷戦時代、米国と旧ソ連は相手から大規模な核攻撃を受けた場合、相手国を確実に破壊できる報復用の核戦力を、見つかりにくい潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の形で保有した。その結果、米ソは互いに報復を恐れ先制核攻撃に踏み切りにくくなった。こうした「恐怖の均衡」状態を当時の核戦略家は「Mutual Assured Destruction(相互確証破壊、頭文字をとってMAD)」と呼んだ。
 中国は近年、米国やロシアに対する核抑止力を強化するため、SLBMの近代化を急いでいる。南シナ海の聖域化もその一環だ。軍備管理条約で規制されない中国の核戦力がこれ以上増強されると、米ロ中3国間の核抑止の計算が複雑になり、核の均衡が崩れてしまうと懸念されている。
 北朝鮮も核戦力増強を続けているが、米国に対抗しうるだけの核を運搬手段も含め持つのは容易ではない。このため北朝鮮は電磁波攻撃など核以外の手段も含めた形での報復能力を誇示することで、自らの独裁体制を維持する構えをみせている。