日々進化する経済用語集 経済ナレッジバンク

最新の経済情報を伝える日経は、日々新しい経済用語が登場する場所でもあります。

「経済ナレッジバンク」は、おさえておきたい経済の基礎用語から最新用語まで、約600語を収録。

やさしくわかりやすく解説しています。

経済をイチから学びたい時、日経を読んでいて知らない用語にぶつかった時など、幅広くご活用いただけます。

索引

経済用語を索引から検索できます。

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量子暗号通信

2014年9月1日(月) 掲載

 通信に使う暗号技術は外交機密や重要な産業情報、個人情報を守るために使われる。情報を暗号化したり解読したりする際に使う情報を「鍵」と呼ぶ。鍵がばれると、暗号は簡単に解読されてしまう。今の暗号技術は数学の理論に基づいて複雑な数式を使い、解読に膨大な時間がかかるようにすることで安全性を保つ。だが、コンピューターの性能が向上すれば破られる恐れがある。
 量子暗号は1984年に米国とカナダの研究者が発明した。これまでとは発想がまったく違い、極微の世界を説明する量子力学に基づく。量子暗号で使う光の粒はのぞき見ようとすると、物理学的な性質が壊れる。この性質を暗号技術に利用すると、第三者が盗聴すると鍵が壊れてしまい、送信者と受信者だけがわかる。その鍵を使わなければ解読されることはない。原理的に盗聴が不可能なため「究極の暗号」と呼ばれる。
 量子暗号通信は欧米で試験導入した例はあるが、本格的な実用化には至っていない。しかし、米中央情報局(CIA)の元職員が米政府による盗聴の実態を暴露したことをきっかけに、機密情報を扱う各国の政府や金融機関が高い関心を示しており、米国や中国などで大規模な量子暗号通信網の構築計画がある。将来普及すれば、世界で数千億~1兆円規模の市場になるとの試算もある。