むずかしいニュースこそ、「見て」学ぼう 全図解ニュース解説

その時気になる経済ニュースを、写真や図解を使いながらわかりやすく解説するコーナーです。

ニュースとニュースのつながりや、過去から現在への流れ、
そして今後への影響などを「立体的」に理解することができます。

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テーマ「ぶつからないクルマ」ってどんなもの? ~自動車の最新技術について知る!

クルマが衝突しそうになった瞬間に、自動でブレーキがかかって緊急停止したり、渋滞時の高速道路で先行車との間で適切な車間距離を保ってくれたり――。国内では2012年以降、こうした運転支援システムの量産車への搭載が相次いでいます。さらに最近は、ハンドルを握らなくても目的地に連れて行ってくれる自動走行技術の研究も進んでいます。今回は、衝突回避システムを中心とするクルマの安全技術の概要、普及が進んでいる背景、メーカー各社の動向などについて解説します。

1. 新たな安全技術として普及しつつある衝突回避システム

1. 新たな安全技術として普及しつつある衝突回避システム

 クルマは私たちの生活になくてはならないものですが、その一方で国内だけでも年間で約86万人もの死傷者を出す交通事故が大きな社会問題となっています。このため自動車メーカーは、速度や燃費、積載量といった性能を追求するだけでなく、安全性の向上にも取り組んできました。
 これまでのクルマの安全技術は、シートベルトやエアバッグ、衝突時のショックを吸収するボディなど、事故後の被害を軽減するものが中心でした。しかし近年では、事故の発生そのものを未然に防ぐ「予防安全」が新たな潮流となりつつあります。消費者の間でも、クルマ選びの基準として「環境」に加えて、「安全」に対する注目度が高まっています。こうした中で、安定走行をサポートし、危険を予測することで事故の被害を軽減する「運転支援システム」を搭載するクルマが増えています。代表的な技術が、レーダーやカメラなどのセンサーで障害物を検知して自動的にブレーキが作動して止まる「衝突回避システム」です。
 先駆けとなったのは富士重工業の運転支援システム「アイサイト(ver.2)」です。ルームミラー付近に取り付けた2台のカメラが前方を常に監視し、クルマや歩行者、自転車などの障害物があると警報音と警告表示でドライバーに注意を促します。さらに衝突回避のための操作がされなければ自動でブレーキをかけ、対象物との速度差が時速30キロメートル以内であれば衝突を回避、それ以上の速度差でも被害の軽減を図るというものです。2008年に発売した主力ワゴン「レガシィ」に衝突軽減システムを初搭載し、10年により効果の高い衝突回避に改良しました。その後は小型車「インプレッサ」などに採用を拡大。「ぶつからないクルマ」として安全性を重視する消費者の支持を集めています。
 アイサイト人気もあり、富士重工業は12年4~9月期の連結決算で、世界販売が前年同期比31%増の34万8000台と上期として過去最高を更新しています。

2013年2月4日掲載