むずかしいニュースこそ、「見て」学ぼう 全図解ニュース解説

その時気になる経済ニュースを、写真や図解を使いながらわかりやすく解説するコーナーです。

ニュースとニュースのつながりや、過去から現在への流れ、
そして今後への影響などを「立体的」に理解することができます。

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テーマ「環太平洋経済連携協定(TPP)」について知る!

2013年3月、安倍晋三首相は「環太平洋経済連携協定(TPP)」交渉への参加を正式表明しました。4月には、米国との事前協議に続き、交渉参加11カ国による閣僚会合で日本の参加が正式に認められました。早ければ7月のTPP交渉会合から参加する予定です。TPP参加は輸出依存度の高い日本経済にとってさまざまなメリットが期待できる半面、安い輸入品の流入で農業が打撃を受けたり、規制撤廃により食品や医療分野の安全・安心が脅かされたりする懸念もあります。今回は、TPPの基礎知識と交渉をめぐる主な論点について解説します。

1. アジア太平洋地域を中心とする多国間EPA

1. アジア太平洋地域を中心とする多国間EPA

 特定の国や地域との貿易を活発にするため、関税や輸入数量制限などの貿易の障害を相互に削減・撤廃する協定を自由貿易協定(FTA)、モノの貿易だけでなく投資や労働力の移動、知的財産権の保護などを含む幅広い経済活動の拡大に関する協定を経済連携協定(EPA)といいます(世界の貿易自由化交渉の経緯については「活発化するFTA・EPA締結――貿易自由化の最新動向について知る!」を参照)。
 「環太平洋経済連携協定(TPP)」はアジア太平洋地域を中心とする多国間EPAです。06年にシンガポール、ニュージーランド、ブルネイ、チリの4カ国間で発効したFTA(P4協定)が前身で、08年に米国が交渉参加を表明したことをきっかけに注目を集めました。10年にはP4参加4カ国に米国、オーストラリア、ペルー、ベトナムを加えた8カ国で交渉を開始。その後、マレーシア、メキシコとカナダが交渉に参加し交渉国は計11カ国になりました。参加国は原則的に分野を問わずに関税を撤廃することを掲げ、10月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議での大筋合意を目指して交渉中です。発効すれば新しい世界経済の枠組みが実現し、域内の成長力をさらに高めると期待されています。

2013年5月6日掲載