むずかしいニュースこそ、「見て」学ぼう 全図解ニュース解説

その時気になる経済ニュースを、写真や図解を使いながらわかりやすく解説するコーナーです。

ニュースとニュースのつながりや、過去から現在への流れ、
そして今後への影響などを「立体的」に理解することができます。

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テーマ富士山が世界遺産に ~世界遺産登録のメリットと課題を知る

2013年6月に開催された国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会で「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の世界遺産への登録が決まりました。これを機に富士山への観光客はさらに増える見込みで、波及効果に期待が高まる一方、環境対策の強化が喫緊の課題となっています。今回は世界遺産の定義、どのように決まるのか、登録のメリット、登録後の課題などについて解説します。

1. 人類全体に普遍的な価値を持つと認められた文化財や自然環境

1. 人類全体に普遍的な価値を持つと認められた文化財や自然環境

 世界には人類が残した遺跡や文化価値が高い建造物、貴重な自然環境など、世界中の人々が共有し、次の世代に受け継ぐべき“宝物”がたくさんあります。その中からユネスコが「世界遺産条約(世界の文化遺産および自然遺産の保護に関する条約)」に基づいて「顕著な普遍的な価値」を持つものを選び、「世界遺産リスト」に登録しています。このリストに登録された文化財や自然環境を「世界遺産」といいます。
 世界遺産には記念物、建造物群、遺跡、文化的景観などの「文化遺産」、地形や地質、生態系、自然景観などの「自然遺産」、双方の特質を備えた「複合遺産」の3種類があります。
 世界遺産条約の誕生にはエジプトのナイル川上流にある巨大ダム、アスワンハイダムが深く関わっています。1950年代に同ダムの建設計画が持ち上がり、古代遺跡のアブ・シンベル神殿(ヌビア遺跡群)が水没の危機にさらされたことから、ユネスコは遺跡群を移築して保存する救済キャンペーンを実施しました。これがきっかけとなり、人類共通の遺産を国際的な組織で守ろうという機運が高まり、72年に世界遺産条約が誕生したのです。78年にはエクアドルのガラパゴス諸島やアメリカのイエローストーン国立公園など12件が世界遺産に初めて登録されました。世界遺産に登録されている件数は981件(文化遺産759件、自然遺産193件、複合遺産29件)に上り(2013年6月現在)、世界遺産条約の締約国は日本を含め190カ国に及びます(12年7月現在)。

2013年7月1日掲載