むずかしいニュースこそ、「見て」学ぼう 全図解ニュース解説

その時気になる経済ニュースを、写真や図解を使いながらわかりやすく解説するコーナーです。

ニュースとニュースのつながりや、過去から現在への流れ、
そして今後への影響などを「立体的」に理解することができます。

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テーマ海洋探査、地震解明や資源開発で脚光

巨大地震の発生や海底資源開発をめぐり海洋探査が進んでいます。海洋研究開発機構が2018年10月、地球深部探査船「ちきゅう」を使い、巨大地震を繰り返し起こしてきた南海トラフの深部の探査を開始。地震の発生メカニズムの解明をめざします。日本近海の海底にはメタンハイドレートやレアアース(希土類)など多様なエネルギー・鉱物資源が眠っており、産官学による探査も進んでいます。今回は海洋探査の歴史を振り返るとともに、ちきゅうの探査などの新たな動きを紹介します。

1.世界の海洋探査で存在感を示す日本

1.世界の海洋探査で存在感を示す日本

 海の総面積は地球の表面積の約7割を占め、その大部分は光が届かず水圧の高い深海です。このため、海洋探査の歴史は人類が海中のどこまで深く潜れるかへの挑戦の連続です。深海の有人探査は始まってからまだ1世紀もたっておらず、海の底にはまださまざまな謎が眠っています。深海が「地球最後のフロンティア」と呼ばれるゆえんです。
 世界で初めて有人深海探査をしたのは米国の生物学者ウィリアム・ビービです。1930年に直径1.5メートルほどの鋼鉄の球体「バチスフィア」で水深約430メートルまで到達しました。海底を探査できる最初の本格的な有人探査艇は、スイスの物理学者オーギュスト・ピカールが設計し53年にイタリアで建造された「トリエステ号」です。その後、米海軍に買い上げられたトリエステ号は60年にマリアナ海溝のチャレンジャー海淵で水深1万1000メートル近くまで潜航することに成功しました。
 80年代以降は性能が向上した無人探査機が深海探査に本格的に使われるようになり、技術力の高い日本の探査機が活躍しています。日本の海洋研究・探査を中心となって担うのは、71年に設立された海洋科学技術センターが前身の海洋研究開発機構です。海洋科学技術センターだった95年に、無人探査機「かいこう」がマリアナ海溝のチャレンジャー海淵で水深1万911メートルまで到達し、海底に生息するゴカイやエビ類の映像を記録。翌96年には同じ海域で海底に堆積した泥の採取に成功しました。
 89年には水深6500メートルまで潜航できる潜水調査船「しんかい6500」が完成。同程度の深さまで潜れる有人探査船は現在、世界で7隻しかなく、日本近海に限らず太平洋や大西洋、インド洋などで海底の地形や地質、深海生物などを調査し、世界の海洋探査の中核を担っています。

2018年12月3日掲載